肩関節周囲炎のリハビリでは何をする?

「肩が痛くて上がらない」「服を着替えるのがつらい」「四十肩・五十肩と言われたけれど、リハビリでは何をするの?」と疑問に思う方は少なくありません。

肩関節周囲炎のリハビリは、痛い肩を一律に強く動かすものではありません。肩の痛みや動かしにくさの程度、経過などを考慮しながら、肩周囲の動きを改善するための運動や、日常生活での工夫などを行います。

肩関節周囲炎では、肩の痛みだけでなく、肩を動かせる範囲が狭くなることがあります。日本整形外科学会でも、急性期を過ぎた後には運動療法などのリハビリが行われると説明されています。

肩関節周囲炎とは?

肩関節周囲炎は、一般に「四十肩」「五十肩」と呼ばれることがある肩の疾患です。肩関節に痛みが生じ、肩を動かしにくくなることがあります。

特に、髪を整える、服を着替える、腕を上げるなど、日常生活の動作に支障が出ることがあります。また、夜間に肩が痛むこともあります。

ただし、肩の痛みや動かしにくさがあるからといって、すべてが肩関節周囲炎とは限りません。肩腱板断裂や石灰沈着性腱板炎など、似た症状を起こす疾患もあります。

肩関節周囲炎のリハビリは、時期によって内容が変わります

肩関節周囲炎は、経過の中で痛みが強い時期と、肩が動かしにくくなる時期があります。そのため、リハビリも肩の状態に合わせて行うことが大切です。

痛みが強い時期に行うこと

痛みが強い時期には、肩を無理に動かすことだけを目的にはしません。

当院では、夜間の痛みがある場合には、クッションやタオルなどを使った姿勢の工夫について説明したり、肩周囲の筋肉に力が入りすぎている場合には、力を抜くための方法を指導したりします。

また、肩そのものだけを見るのではなく、肩甲骨や胸郭など、肩の動きに関係する部分を動かす練習を行うことがあります。

痛みが強い時期には、運動の内容や範囲にも配慮が必要です。痛みを我慢して無理に動かすことを一律に勧めるものではありません。

肩が動かしにくくなった時期に行うこと

痛みが落ち着いてきても、「腕が上がらない」「背中に手が回らない」など、肩の動かしにくさが残ることがあります。

この時期には、肩関節周囲の筋肉や軟部組織を対象としたストレッチ、肩の動く範囲を広げるための運動などを行います。

さらに、肩だけを動かすのではなく、肩甲骨、胸郭、背骨など、肩の動きに関係する部分を一緒に動かすこともあります。

状態に応じて肩周囲の筋力トレーニングを取り入れたり、自宅で続けられる運動を指導したりすることもあります。

リハビリでは「肩を動かすこと」だけが目的ではありません

肩関節周囲炎のリハビリでは、肩の動きを確認しながら、日常生活で肩にかかる負担について考えることも重要です。

  • 肩に負担がかかりやすい姿勢になっていないか
  • 日常生活の中でどの動作が痛みにつながっているか
  • 自宅でどのような運動を行えばよいか
  • 痛みがあるときにどのように肩を休ませるか

このような点を確認しながら、生活の中でできる工夫やセルフケアについて説明します。

自宅での運動も大切です

肩関節周囲炎では、医療機関でのリハビリだけでなく、自宅で行う運動について指導を受けることがあります。

ただし、肩の状態によって適した運動や動かす範囲は異なります。日本理学療法士協会の肩関節周囲炎に関する資料でも、セルフエクササイズや肩を動かす際の注意点などが紹介されています。

「四十肩なら、この運動をすればよい」と一律に考えるのではなく、自分の肩の状態に合わせた方法を確認することが大切です。

注射とリハビリを組み合わせることもあります

肩関節周囲炎では、痛みを抑えるための治療とリハビリを組み合わせて行う場合があります。

当院では、症状や状態に応じて、ブロック注射やハイドロリリースを組み合わせる場合があります。また、注射を行わずにリハビリを行うこともあります。

肩の痛みが強い場合には、痛みへの対応を行いながらリハビリを進めることもあります。どのような治療を組み合わせるかは、症状や肩の状態を確認したうえで検討します。

「痛みが取れればリハビリは必要ない」とは限りません

肩関節周囲炎では、痛みが軽くなっても肩の動かしにくさが残ることがあります。

そのため、痛みへの対応だけでなく、肩を動かせる範囲や日常生活で困っている動作なども確認しながら、必要に応じて運動を続けることがあります。

肩の動きが戻るまでには時間がかかることもあるため、焦らず状態に合わせて取り組むことが大切です。

肩の痛みを自己判断しないことも大切です

肩の痛みや腕が上がらないという症状は、肩関節周囲炎以外の疾患でも起こります。

肩腱板断裂や石灰沈着性腱板炎など、肩関節周囲炎と似た症状を示す疾患もあるため、「四十肩だから自然に治る」と自己判断するのではなく、症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、医療機関で相談することが大切です。

いまがわクリニックの肩関節周囲炎のリハビリ

いまがわクリニックでは、肩関節周囲炎の症状や経過に応じてリハビリを行っています。

痛みが強い時期には、夜間の姿勢の工夫や肩周囲の力を抜く方法、肩甲骨や胸郭の動きなどについて確認します。

肩が動かしにくくなった時期には、肩周囲の筋肉や軟部組織のストレッチ、肩の動く範囲を広げる運動、肩甲骨・胸郭・背骨などの動き、自宅で行う運動について指導します。

肩の痛みや動かしにくさは、症状の経過によって必要な対応が変わることがあります。自分ではどのように動かせばよいか分からない場合は、現在の症状や生活上の困りごとを含めてご相談ください。

まとめ

肩関節周囲炎のリハビリは、単純に痛い肩を強く動かすものではありません。

  • 痛みが強い時期は、姿勢や肩周囲の緊張、肩甲骨・胸郭の動きなどを確認する
  • 肩が動かしにくい時期は、ストレッチや可動域を広げる運動を行う
  • 肩甲骨・胸郭・背骨など、肩の動きに関係する部分も動かす
  • 必要に応じて筋力トレーニングや自宅での運動を行う
  • 日常生活で肩にかかる負担についても考える

肩の状態によって適したリハビリの内容は異なります。痛みや動かしにくさが続いている場合は、まず現在の肩の状態を確認することが大切です。

 

痛みの治療から予防まで。

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