「坐骨神経痛のリハビリでは、どんな運動をするの?」

「お尻や脚が痛いのに、どうして股関節や体幹まで確認するの?」

このような疑問を持つ方もいらっしゃいます。

坐骨神経痛の運動療法では、痛みがある場所だけを見るのではなく、原因となっている病態を確認したうえで、股関節や体幹の機能、日常生活やスポーツでの身体の使い方などを評価します。

症状や原因によって適した運動は異なるため、すべての方に同じ運動を行うわけではありません。

坐骨神経痛とは?

坐骨神経痛とは、腰やお尻から脚にかけて痛みやしびれなどが生じる症状を表す言葉です。

坐骨神経痛そのものが一つの病気というわけではありません。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、さまざまな病気によって坐骨神経に関連する症状が生じることがあります。

そのため、「坐骨神経痛だからこの運動をすればよい」と一律に考えるのではなく、まず症状の原因や現在の状態を確認することが大切です。

坐骨神経痛の運動療法では何をする?

運動療法では、腰だけではなく、股関節や体幹、立つ・歩くといった動作なども確認します。

当院では状態に応じて、次のような点を評価しながら運動内容を考えます。

股関節の動きと安定性を確認する

股関節は、歩く、立つ、しゃがむなど多くの動作に関わります。

リハビリでは、股関節がどの程度動くのかという「可動性」だけでなく、動作中に身体を支えられるかという「安定性」についても確認します。

必要に応じて、股関節の動きを整える運動や、股関節周囲の筋肉を使う運動などを行います。

体幹の機能を確認する

体幹は、腰や骨盤を含む身体の中心部分です。

立つ、歩く、物を持つ、スポーツをするといった動作では、股関節や脚だけでなく体幹も連動して働きます。

そのため、体幹がどのように身体を支えているのかを確認し、状態に応じて体幹機能を高める運動を行います。

日常生活の動きもチェックするの?

リハビリでは筋力や関節の動きだけでなく、患者さんが普段どのように身体を使っているかも確認します。

例えば、

  • 立ち上がる
  • 歩く
  • しゃがむ
  • 物を持ち上げる
  • 長時間座る

といった日常生活の動作です。

症状が出る動作を実際に確認することで、身体のどこに負担が集中しやすいのかを考える手がかりになります。

スポーツをしている場合はフォームも確認する?

スポーツ中に症状が出る場合には、競技動作やフォームを確認することもあります。

例えば、走る、跳ぶ、身体をひねる、踏み込むといった動作では、腰だけではなく股関節や体幹、下半身全体が連動しています。

そのため、どの動作で症状が出やすいのか、どのような身体の使い方になっているのかを確認しながら運動療法を考えます。

「メカニカルストレスを分析する」とは?

メカニカルストレスとは、動作によって身体の組織に加わる力や負担のことです。

リハビリでは、「どの姿勢や動きで症状が出るのか」「その動作を繰り返したときに、どこへ負担が集中しやすいのか」といった点を確認します。

ただし、特定の姿勢やフォームだけが坐骨神経痛の原因だと決めつけるわけではありません。

診断された病態や症状、身体機能、普段の生活などを合わせて評価することが重要です。

坐骨神経痛なら運動したほうがいい?

坐骨神経痛の原因や症状の程度によって、適した運動は異なります。

例えば腰椎椎間板ヘルニアでは、状態に応じて運動療法などの保存療法が行われることがあります。日本整形外科学会も、急性期を過ぎた後に運動療法が行われる場合があるとしています。

一方で、痛みやしびれが強くなる運動を自己判断で繰り返すことが適切とは限りません。

運動によって脚の症状が強くなる場合や、力が入りにくいなどの症状がある場合には、無理に続けず現在の状態を確認することが大切です。

いまがわクリニックでの坐骨神経痛のリハビリテーション

いまがわクリニックでは、坐骨神経痛の症状がある方のリハビリテーションにおいて、痛みのある場所だけではなく身体全体の状態を確認します。

状態に応じて、

  • 股関節の可動性や安定性の確認
  • 体幹機能の確認
  • 日常生活での動き方の確認
  • 活動やスポーツ場面でのフォームの確認
  • どのような動作で身体に負担が加わっているかの分析

などを行い、症状や身体の状態に合わせて運動療法を考えます。

どのような場合に医療機関へ相談する?

腰やお尻から脚にかけての痛み・しびれが続いている場合には、原因を確認するため医療機関への相談を検討してください。

特に、脚の力が入りにくくなってきた場合や、排尿・排便に異常がある場合などには、早めの診察が必要になることがあります。

坐骨神経痛を生じる原因は一つではないため、症状だけで自己判断せず、適切な診断を受けることが重要です。

まとめ

坐骨神経痛の運動療法では、痛みがある部分だけを見るわけではありません。

当院では状態に応じて、

  • 股関節の可動性と安定性
  • 体幹の機能
  • 日常生活での身体の使い方
  • 活動やスポーツでのフォーム
  • 身体にどのような負担が加わっているか

などを確認します。

大切なのは、「坐骨神経痛にはこの運動」と決めるのではなく、原因となる病態や症状、身体の状態に合わせて運動療法を行うことです。

痛みの治療から予防まで。

いまがわクリニック