「帯状疱疹の痛みに注射の治療があると聞いた」
「硬膜外ブロックをすれば帯状疱疹後神経痛を防げるの?」
「ペインクリニックに行くと必ず注射をするの?」
帯状疱疹では、痛みが非常に強い場合や、皮膚症状が治ったあとにも痛みが続く場合があります。
帯状疱疹に関連する痛みに対して神経ブロックを検討することはありますが、すべての方に必要な治療ではありません。
また、「今ある痛みを和らげること」と「将来の帯状疱疹後神経痛を予防すること」は分けて考える必要があります。
ペインクリニックでは帯状疱疹の何を治療する?
ペインクリニックは、痛みの診断や治療を専門的に行う診療分野です。
帯状疱疹そのものに対する急性期の治療では、抗ウイルス薬によってウイルスの増殖を抑えることが重要です。
一方、ペインクリニックでは、帯状疱疹に伴う強い痛みや、皮膚症状が治ったあとにも続く神経の痛みについて、薬物療法や神経ブロックなどを組み合わせながら治療を検討します。
帯状疱疹を発症したばかりで、初期症状や抗ウイルス薬を始める時期について知りたい方は、関連記事の「帯状疱疹かも?初期症状と何科を受診するか、治療を始めるタイミングを解説」をご覧ください。
神経ブロックとは?
神経ブロックは、痛みに関係する神経やその周囲などに局所麻酔薬などを投与し、痛みの伝わり方を一時的に抑える治療です。
「神経を壊す注射」という意味ではありません。
神経ブロックにはさまざまな方法があり、痛む場所や病気、症状によって選択する方法は異なります。
硬膜外ブロックとは?
硬膜外ブロックは、背骨の中で脊髄を包んでいる膜の外側にある「硬膜外腔」という場所へ薬を投与する方法です。
帯状疱疹に関連する痛みに対しても、症状や痛む部位などによって検討されることがあります。
ただし、帯状疱疹の方全員に硬膜外ブロックを行うわけではありません。
急性期の強い痛みに神経ブロックを行うことがあります
帯状疱疹の発症直後には、強い痛みが出ることがあります。
通常は抗ウイルス薬による治療とともに、症状に合わせた鎮痛薬を使用します。
それでも痛みが非常に強い場合などには、早い時期から神経ブロックを検討することがあります。
ここで大切なのは、現在起こっている強い痛みを和らげる目的と、将来の帯状疱疹後神経痛を予防する目的を同じものとして考えないことです。
神経ブロックをすれば帯状疱疹後神経痛を防げる?
一部の神経ブロックについて、帯状疱疹後神経痛の発生を減らしたとする研究があります。
一方で、研究結果はブロックの種類、方法、回数、対象となった患者さんなどによって異なります。
すべての神経ブロックで同じ予防効果が確認されているわけではありません。
「早く神経ブロックを受ければ、帯状疱疹後神経痛を確実に防げる」とは言えません。
現在の痛みを和らげる効果と、将来の帯状疱疹後神経痛を予防する効果は、分けて考える必要があります。
すでに帯状疱疹後神経痛になっている場合は?
皮膚症状が治ったあとも長く続く帯状疱疹後神経痛では、神経障害性疼痛に対する薬物療法が重要になります。
薬の効果や副作用、痛みの部位、発症からの期間などを確認しながら治療します。
状態によっては神経ブロックなどを検討することがありますが、長期間続いている帯状疱疹後神経痛に対する神経ブロックの効果には、まだ十分に明らかになっていない部分があります。
「ブロックをすれば必ず治る」という治療ではありません。
帯状疱疹後神経痛そのものや薬による治療については、関連記事の「帯状疱疹の発疹が治ったのに痛いのはなぜ?帯状疱疹後神経痛を解説」で詳しく説明しています。
神経ブロックにはリスクもあります
神経ブロックは、方法によって期待できる効果やリスクが異なります。
例えば、一時的なしびれや力の入りにくさ、血圧の変化、出血、感染などが起こる可能性があります。
まれではありますが、ブロックの種類によってはより重い合併症が生じる可能性もあります。
そのため、持病、これまでの治療歴、使用している薬などを確認して、安全性を判断します。
血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合
抗凝固薬や抗血小板薬などを使用している場合には、神経ブロックの方法によって出血のリスクを慎重に評価する必要があります。
神経ブロックを受けるために、こうした薬を自己判断で中止しないでください。
薬を中止できるかどうか、どの程度の期間を空ける必要があるかは、使用している薬、治療している病気、行う神経ブロックによって異なります。
ペインクリニックに行くと必ず注射をする?
いいえ。
ペインクリニックを受診したからといって、必ず神経ブロックを行うわけではありません。
診察では、
- 帯状疱疹を発症した時期
- 皮膚症状の状態
- 痛む場所
- 痛みの強さや感じ方
- 睡眠や仕事への影響
- これまで使用した薬とその効果
- 持病や使用中の薬
などを確認します。
そのうえで、薬物療法を中心に行うのか、神経ブロックを組み合わせるのかを個別に検討します。
いまがわクリニックでの帯状疱疹の痛みの診療
いまがわクリニックでは、帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛による痛みを診療しています。
発症からの期間や痛みの性質、生活への影響、現在使用している薬などを確認し、内服治療や神経ブロックなどの治療を検討します。
神経ブロックを行うかどうか、どの方法が適しているかは、診察したうえで判断します。
まとめ
帯状疱疹による強い痛みに対しては、薬による治療だけでなく、症状によって神経ブロックを検討することがあります。
ただし、「今ある痛みを和らげること」と「帯状疱疹後神経痛を予防すること」は同じではありません。
また、すでに長期間続いている帯状疱疹後神経痛に対する神経ブロックについても、すべての方に同じ効果が期待できるわけではありません。
治療方法だけを先に決めるのではなく、現在の痛みの状態や経過を確認したうえで、適切な治療を検討することが大切です。
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・帯状疱疹の発疹が治ったのに痛いのはなぜ?帯状疱疹後神経痛を解説
よくある質問
帯状疱疹なら早く硬膜外ブロックを受けた方がいいですか?
すべての方に必要な治療ではありません。痛みの強さや場所、発症からの期間、薬の効果などを確認したうえで判断します。
神経ブロックをすれば帯状疱疹後神経痛を防げますか?
一部の方法で帯状疱疹後神経痛の発生を減らしたという研究がありますが、ブロックの種類や方法などによって結果は異なります。確実に予防できるとは言えません。
ペインクリニックでは必ず注射をしますか?
いいえ。薬による治療を含め、現在の症状に合わせて治療方法を検討します。
痛みの治療から予防まで。
いまがわクリニック

