「側弯症は姿勢が悪いから起こるの?」

「背骨が曲がっていると言われたけれど、リハビリでは何をするの?」

このような疑問を持つ方もいらっしゃいます。

側弯にはいくつかの種類があり、すべてが普段の姿勢や身体の使い方によって起こるわけではありません。

そのため、まずどのような側弯なのかを確認し、そのうえで必要に応じて運動療法や身体の使い方へのアプローチを考えることが大切です。

この記事のポイント

  • 側弯症は、背骨が左右に曲がり、ねじれを伴うことがある状態です
  • 原因が明確でない「特発性側弯症」と、姿勢などによって見かけ上カーブが生じる「機能性側弯」は区別して考える必要があります
  • 側弯症の診断では、診察や立位でのレントゲンなどを用いて状態を確認します
  • 機能性の偏りでは、日常生活の身体の使い方や動きの癖を確認することがあります
  • 運動によってすべての側弯が元に戻るわけではありません

側弯症とは?

側弯症とは、背骨が左右に弯曲した状態で、背骨のねじれを伴うこともある脊柱の変形です。

左右の肩の高さが違う、肩甲骨の出方が左右で違う、腰の高さが違う、前かがみになったときに背中の片側が盛り上がって見える、などがみられることがあります。

特発性側弯症と機能性側弯は何が違う?

特発性側弯症

「特発性」とは、原因を一つに特定できないという意味です。

日本整形外科学会によると、特発性側弯症は側弯症の中で最も多く、特に成長期にみられます。

特発性側弯症は、単に「姿勢が悪いから背骨が曲がった」というものではありません。

そのため、「姿勢を正せば治る」「身体の癖を直せば元に戻る」と考えないことが大切です。

機能性側弯

一方、身体の姿勢や骨盤の傾きなどによって、一時的・姿勢依存的に背骨が左右に曲がって見える場合があります。

このような側弯は「機能性側弯」などと呼ばれ、身体の条件を変えるとカーブが小さくなったり、消失したりする場合があります。

例えば、左右非対称の立ち方や骨盤の傾きなどが関係していることがあります。

この場合には、日常生活でどのように身体を使っているのかを確認することが、リハビリテーションの一つの手がかりになります。

側弯症はどのように診断する?

側弯症の診察では、立った姿勢で肩や肩甲骨、腰の左右差などを確認します。

また、前かがみになったときに背中や腰の左右差がみられるかを確認する「前屈テスト」も行われます。

側弯が疑われる場合には、立った状態で脊柱全体のレントゲン撮影を行い、背骨の曲がりの程度を確認します。

レントゲンでは「Cobb角(コブ角)」と呼ばれる角度を測定します。一般的に、10度を超えるカーブが側弯症と定義されています。

見た目の左右差だけでは、構造的な側弯症なのか、姿勢による機能的な偏りなのかを判断できないことがあります。

側弯症のリハビリでは何をする?

リハビリテーションの内容は、側弯の種類や程度、年齢、症状などによって異なります。

当院では、特に身体の使い方による影響が考えられる場合には、日常生活でどのように身体を使っているかを確認します。

日常生活での身体の使い方を確認する

普段の生活では、無意識のうちに左右どちらかに体重をかけたり、いつも同じ姿勢をとったりすることがあります。

例えば、

  • いつも同じ脚に体重をかけて立つ
  • 座るときに身体を片側へ傾ける
  • 仕事や勉強で同じ方向を向く時間が長い
  • スポーツなどで左右非対称の動きを繰り返す

などです。

こうした習慣がその人の身体の使い方にどのように関係しているのかを確認します。

身体の使い方の癖を確認し、運動につなげる

身体の動きを確認したうえで、必要に応じて体幹や股関節などを使う運動を行います。

目的は、単に「背骨を真っすぐにする」ことではありません。

自分がどのように立っているのか、どちらに体重がかかりやすいのか、身体をどのように動かしているのかに気づき、より動きやすい身体の使い方を身につけていくことを目指します。

自分の身体に気づくことはなぜ大切?

普段の姿勢や動きは、意識せずに行っていることがほとんどです。

そのため、自分では「まっすぐ立っている」と思っていても、実際には左右の体重のかけ方などに差がある場合があります。

リハビリでは、鏡や動作の確認などを通して、自分の身体がどのような位置にあるのかを認識することがあります。

自分の身体の使い方に気づくことで、運動だけでなく日常生活の中でも身体の使い方を調整しやすくなります。

ただし、身体の使い方を意識するだけで、構造的な特発性側弯症そのものが矯正されるという意味ではありません。

運動をすれば側弯症は治る?

側弯症の種類や程度によって対応は異なります。

特発性側弯症では、年齢や成長の程度、カーブの大きさ、進行の有無などを確認しながら、経過観察、装具治療、手術などが検討されます。

運動療法が行われる場合もありますが、「運動をすれば背骨が元通りになる」と考えるものではありません。

一方、姿勢などによる機能的な偏りでは、身体の使い方や日常生活の習慣を確認し、それに応じた運動を行うことがあります。

いまがわクリニックでの側弯に対するリハビリテーション

いまがわクリニックでは、側弯がみられる方について、側弯の種類や身体の状態を確認したうえでリハビリテーションを検討します。

機能的な身体の偏りが関係している場合には、

  • 日常生活での習慣や姿勢の確認
  • 左右の身体の使い方の確認
  • 体幹や股関節などの機能の確認
  • 身体の使い方に合わせた運動
  • 自分の姿勢や動きに気づくための練習

などを行います。

大切なのは、「曲がっているところだけを真っすぐにする」と考えるのではなく、側弯の種類や身体の状態を確認したうえで対応することです。

側弯が気になる場合はどうすればいい?

肩の高さが左右で違う、背中の片側が出て見える、学校健診で側弯を指摘されたなどの場合には、まず現在の状態を確認することが大切です。

特に成長期では、側弯の程度が変化することがあるため、必要に応じて継続的な診察が行われます。

見た目だけで「姿勢の癖だから大丈夫」と自己判断せず、側弯が疑われる場合には医療機関へ相談してください。

まとめ

側弯には、原因が明確ではない特発性側弯症や、姿勢・身体の条件によってカーブが生じる機能性側弯などがあります。

そのため、側弯があるからといって、すべてを「姿勢の悪さ」や「身体の癖」が原因だと考えることはできません。

リハビリテーションでは、状態に応じて、

  • 日常生活での姿勢や習慣
  • 身体の左右の使い方
  • 体幹や股関節などの身体機能
  • 自分自身の姿勢や動きへの気づき

などを確認します。

まず側弯の種類や程度を確認し、その人の状態に合わせて必要な対応を考えることが大切です。

痛みの治療から予防まで。

いまがわクリニック